日本秦漢史学会は、日本学術会議が推薦した会員候補者のうち6名の任命を政府が拒否したことに対し強く抗議し、(1)推薦した会員候補者が任命されない理由の説明、(2)任命されていない会員候補者の速やかな任命、を政府に対して求めた日本学術会議の10月3日付要望書を全面的に支持し、これが早期に実現されることを求めます。
日本学術会議は、過去に科学者が戦争に協力したという反省の下に設立され、会員の任命方法もその趣旨を踏まえて行われてきました。この度の政府による任命拒否は、日本学術会議設立の趣旨を否定するものであると共に、戦争協力への反省すらも蔑(なみ)するものであり、断じて看過することができません。
日本秦漢史学会は、学問が最終的に目指すものは、その取り扱う分野や研究対象はさまざまであっても、あらゆる人が心身を満たされ安心して暮らせる社会の実現であると考え、それに資することを願ってここにこの声明を発表します。
日本秦漢史学会
※ 日本歴史学協会の「日本学術会議第25期推薦会員任命拒否に関する人文・社会科学系学協会共同声明」に、発出主体(連名)として参加しました。